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下女(ハニョ)
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韓国映画の巨匠・怪物キムギヨン監督の魔性の女シリ−ズの名作

1960年 キム・ギヨン監督(1919〜1998)
キム・ジンギュ チュ・ジンジュ イ・ウンシム アン・ソンギ(子役)

中流家庭に雇われた若い家政婦(下女)が主人と不倫関係をもち、家を翻弄し、崩壊に追いこんでいく物語。
下女とは、家政婦、メイドのこと。身分が低く扱われている。

「火女」「虫女」「肉食動物」「肉体の約束」・・とタイトルも衝撃的な”魔性の女”をテ−マにした作品を創作するキム・ギヨンの出世作。
下女役のイ・ウンシムの演技、子供役のアンソンギの存在感もみどころ

登場人物

夫(キム・ジンギュ)・・・・音楽教師。工場の女工達相手のコ−ラス教室の講師もしている。二枚目なので人気があり、ラブレタ−を
              もらう。厳格な性格で、はじめは”誘惑”の波をきっぱり拒否していたのだが。。
              長年の借家住まいをぬけて、二階建ての家を新築する。

妻(チュ・ジンジュ)・・・・・洋裁の内職で家計を支える妻の模範。長年の夢だった新築の二階建ての家がたつ。
              夫が音楽に携わっていて収入少なかったので、苦労が多かった。
              3人目を妊娠して家事が負担になってきたので、メイドを雇うことになる。
              お産のために帰省している間に、夫がメイドを妊娠させてしまうとは。

長女・・・・・・・・・・・・・・・13歳くらい。大人しい性格。小児麻痺が原因か、生まれつき足が不自由。初めてメイド(下女)がやってきたとき、
              (天性の感受性で)彼女に不信感を感じる。

長男(アンソンギ)・・・・・8歳くらい。明るい性格。足の不自由な姉をときどきバカにして親にお仕置きをうける。
              彼も、”下女”は始めから好きになれなかった。

ミョンジャ(下女)・・・・・・主人のピアノの生徒の紹介で、家政婦に雇われる。
 (イ・ウンシム)     二十歳前か。田舎からでてきた少女。煙草を吸う習慣がある。
              初めて家に来た日に、台所に現れたネズミを捕まえて素手で殺し、回りをびっくりさせる。
              「猫いらず(毒役)で退治しなさい。」と主人から毒薬を渡される。


スト−リ−

妻と娘と息子の4人家族の音楽教師の主人。妻のミシンの内職のおかげて、借家住まいから抜けでて念願の二階建ての家が建つ。
妻が妊娠と過労になったため、家政婦をやとうことに。妻が出産のために実家に帰っている間に、その若いメイドと関係をもってしまい、
妊娠させてしまう。
メイドの嫉妬、妻とメイドの葛藤、など、、幸せだった家庭が次第に崩壊の道をたどる。


(当時の)韓国社会が背景

家計を支える妻

  音楽家の夫の収入では生活が苦しく、妻は10年間裁縫の内職で家を支えていた。広い持ち家を建てることが長年の夢だった。
  夫のため、家族のために働くことが生きがい。過労と出産のために、体調をこわすことも。

体面重視の社会

  若い女工が、コ−ラスの先生(キム・ジンギュ)にこっそりとラブレタ−をおくる。厳格である先生は会社に報告をしてしまい、彼女は3日間の
  停職の処分をうけてしまう。恥をかかされた彼女は、工場を辞めてしまう。(後日、自殺をはかる)

人間扱いされない下女

  妻の家事が負担になり、家も広くなったので住みこみの下女を雇うことに。下女は身分が下なので同等には扱われず、家族から全く関心
  もたれていない。
  

テレビが家にやってくる

  初めてテレビが家に来た。次男(アンソンギ)は、外人がフラダンスしている番組を観て喜んでいる。
  「おまえにはテレビ見せないよ。」(下女に)とアンソンギ。

上昇と転落

  家族から無視されていた下女。主人と関係を結んでからは態度が大きくなっていき、やがては家を支配していくことに。
  女工の友人が主人(キムジンギュ)からピアノの個人レッスンを受けているのをみて、「私にもピアノ教えて下さい」と頼むが、
  無視され「ピアノに触るな」と拒絶されていたのが、???の関係になってからは、主人の部屋にはいり放題、ピアノ触り放題。
  夫の不倫の事実を世間に知られるのを恐れる奥さんの立場につけこんで、わがままをふるうように。奥方と下女の地位が逆転。

 


感想

韓国社会の矛盾を、家と男女の問題に反映した作品だった思います。@最近になって評価された衝撃作
Aイ・ウンシムの”魔性の女”の怪演 B子役のアンソンギ 
、というのを見所に、観に行きました。
イ・ウンシムが”なにかトラブルを起こすぞ”とドキドキさせる伏線をうまく用意していて、シナリオ上でよく計算されていたという感想です。
40年前の作品で、シロクロですが、古さを感じさせない映画でした。

不倫の男女が破滅していくという暗い内容、だが、上映されていた館内では二度だけ、観客が笑い声のあるシ−ンがありました。

一つは、下女が子供達に、コップ水を運んでくる場面。
長女が、「毒がはいっているから飲んじゃだめよ」と、アンソンギ長男に忠告。
下女が、「毒なんていれるわけないわ」と、コップの水を自分で飲んでみせる。ソンギ坊が、それならと、その水をゴクゴク飲む。
下女・・・それを見て、口からダラ〜と水吐き出す。。
(場内笑い・・)-----”してやったり”下女の心境か。
ソンギ坊、びっくりして、のどを押さえて慌てて部屋を飛び出す。可愛そうに、階段を踏み外して・・・

二つめの笑いは、主人と下女が心中を計ったあとにおとつれる、ラストの意外!な結末。(これ以上、言えない〜〜)
笑いで終らないと、収拾つかないテ−マだったから。  

 

 


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